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第413号 1992(H4).03発行

Click here for PDF version 第413号 1992(H4).03発行

 

 

施肥防除作業の機械化について

全農農業技術センター
農業機械研究部長 佐藤 功

1.機械化一貫体系はできたか?

 現在の耕種農業は,農業機械抜きでは考えられない。しかも農業機械が日本農業の近代化,生産性の向上にも大きな役割を果たしてきたことも,今更異論を交えない。

 ところで昭和40年代半ば,日本農業の基幹作物である水稲作の機械化一貫体系が確立されたと言われてから20数年,果してそうだろうか。

 水稲作の機械化の変遷について詳細は省略するが,力仕事の動力源としてのモーター・エンジン,耕うん整地作業の耕うん機・トラクター,連続作業で比較的技術を要する移植作業の田植機,刈取作業のバインダ・コンバインへと省力・高性能化の道を歩んで来たことは御存知のとおり。つまり「重労働からの解放」という点で大きな役割を果たしてきた。

 表-1,図-1でもわかるように10a当り作業時間が20年間で約1/3に減少している。まさしく力仕事の機械化実現と高能率化が進行していることがわかる。しかし,機械利用比率が低位のままでもある。

 一方,主な作業別時間の変遷(表2),平政元年における作業別時間の内訳と機械利用時間(表3)をみると,育苗と水管理は減少していない。また,施肥防除作業の時間数は減少しているものの,総作業時間の構政比率はさほど減少していないことがわかる。

 言いかえると,機械化が進んだものは,人力畜力では重労働で,しかも作業直後の成果・見映えが即物的に評価納得できるものが多かったとも見れる。

 農作業技術での特許は成立し難いが,農作物には品質という点で差別化が存在する。農機メーカーも製品開発には多大な投資を要し,その製品の普及により費用回収を図ることから,特許で保護され難い個人ノウハウ作業技術,しかも地域毎に異なる栽培技術(いろんな意味で)に対し,なかなか手を出し難いのである。その点,農産物品質に重要な肥培管理に関わりの大きい肥料・農薬は登録認可・手続きの問題もあるが,施用による効果はすぐには納得されにくい。

 一方,農業機械面では農業は工業と異なり,気象条件,地域条件に左右されやすく,しかも機械作業の成果=高品質・安定収量が必ずしも保証されない分野での機械開発は向かないのかもしれない。

 いずれにしても,即物的成果が見えない部分,つまり「土づくり」とか,「施肥防除作業」は人力作業から抜けきっていないし,しかも「煩わしさからの解放」はいまだ実現していないのである。

2.機械化体系の見直しを!

 前述のとおり,現在の農業機械は「重労働からの解放」という点での果たした役割は大きい。しかし,まだ総作業時間での機械利用比率は低い。

 本来,農業機械の果たす役割は高品質(均一性を含め)・安定多収をネライとした「高作業精度を維持連続した農作業を行う」ことにあると私は考える。高作業精度を考える場合,単なる人力作業の機械化実現ではなく,機械化を前提とした栽培技術の見直しが必要である。

 例えば,側条施肥田植技術も当初は初期生育の確保にあったが,今からみれば,正確な施肥位置と量による高品質米の安定収量確保と省資源が実現できたのである。しかし,総じて施肥防除作業は,総作業時間に占める割合もさることながら,その作業回数・日数も多く,気配りも大変で,「煩わしさからの解放」という点でまだまだ「人間にやさしい」といえる現状にあるだろうか?

 そこで,これからの農業機械開発には,
(1)作業条件適用拡大は勿論,同時複合化,汎用化,自動化。
(2)作物の生育制御を指向した作業回数の最少化(作業の省略と省資源を含む)
を重要視点としてとらえ,「重労働からの解放」「煩わしさからの解放」に加え,今様ではあるが,「地球にやさしく,人間にやさしく」「更なる省資源」更に「一人乗用快適作業」の観点で,栽培技術の見直しによる「機械化体系の再確立」を提言したい。

3.施肥防除作業に乗用田植機の活用を!

 水稲移植作業の田植機利用率98%,普及台数約200万台,最近の田植機出荷の乗用比率が50%を超え,そのうち側条施肥装置つきも50%にもなろうとしている。また,地域の水利事情,米の産地間競争からか,田植作業期間も短くなり,田植作業のコスト高が懸念されるほど,高性能な割には機械利用比率も低い。(表-3)

 そこで,全農農業機械研究部では,肥料研究部,農薬研究部と共同で各業界の関係メーカーの協力を得て,農作業の同時複合化,田植機の汎用化をネライとした「乗用田植機の高度利用化研究」に取組んでいるので,その概要を紹介する。

(1)同時複合作業の実現に向けて

 施肥については,前述のとおり,普及が進んでいるが,作業の省略をネライとした全量基肥を指向して,2段施肥技術に取組んだ。すでに2年間の研究で,施肥装置そのものはほぼ完成したが,作業時の前後バランスを考慮すると,得策ではなく,むしろ,LP肥料など溶出コントロール型の被覆肥料の開発とあいまって,肥料の組合せによる全量基肥側条施肥でいけるのではないかと思い,さらに研究継続中である。

 施薬については,農薬施用田植方式として,粒剤用は既に市販,FL剤用は今年試販の予定で,いずれも実証展示圃などでの普及促進を図っているところである。参考までに作業精度を図-2,図-3,図-4を参照されたい。

(2)汎用化に向けて

 乗用田植機本体はその構造特質(表-4)から,移植時の同時複合作業のほかに,汎用化(水稲移植以外の作業)に格好の素材である。移植後の圃場内移動による中・後期防除作業に活用すべく,粒剤,液剤農薬の広巾散布装置の開発,その実用化について試験中である。(図-5参照)

 粒剤広巾散布装置は1~9kg/10a,液剤広巾散布装置(仮称:パンクルスプレーヤ)は25~50ℓ/10aの散布量,いずれも散布巾5.4m(18条),高さ調節自在,移動速度に連動した調量機構で,単位面積(1㎡,3.3㎡)当りの散布精度も高く,作物直近部での散布なのでドリフトも少なく,風などによる作業時間帯適用も広くなり負担面積も大である。

 また,移植後の圃場内移動による稲の踏み倒しも思ったより少なく,全体面積の3~4%どまりで,収量に影響もない。また,2年間の試験結果ではあるが,薬効・薬害も従来方法に比較し問題ないと思われ,更に実用化すべく試験継続中である。(写真-1,2:田植機に装着した液剤広巾散布装置による防除作業)

4. Conclusion

 全農としても乗用田植機の効率利用の観点から近未来的技術課題としてとらえ,乗用田植機本体の構造検討は原則として必要最少限の改良にとどめるべく以下の視点で整理し,鋭意努力中である。

(1)昇降装置の作業機装着方法と各種作業機共通利用を目的とした規格化
(2)田植機PTOまわりの規格化(馬力,回転数,寸法など)
(3)生育中期以降の圃場内走行を意識した走行部の改良
(4)バッテリー容量,発電容量の見直しと搭載エンジン出力の適正化
(5)作業機水平制御自動化装置の採用など

 また普及促進を図るため“汎用乗用管理機(Panride cruiser:パン・ライド・クルーザー)”と命名し,水稲作のみならず畑作への利用も検討中である。農機開発関係者の皆さんの協力と栽培技術関係者の皆さんからのご意見をいただければ幸甚である。
以上

 

 

肥料の来た道,帰る道
4.江戸文化の生んだ商品肥料(2)

京都大学
名誉教授 高橋 英一

 江戸時代は同じころのイギリスとは異なり,工業ではなく農業の発展によって新しい産業の形成と生活革命を行ない,その上に独自の江戸文化を開花させた。すなわちまず大規模な新田開発と城下町の建設によって,武土・町人階級の米食化が進むとともに,近郊農村では蔬菜や果物などの嗜好性の強い農産物の生産が盛んになった。しかもこれらの都市と農村の間にはヨーロッパにはみられない物質循環(下肥と農産物)の太いパイプが通じていたことは,前回述べた通りである。

 農業生産性の向上は食生活に変化をもたらした(一日三食の普及など)だけではなく,衣料や生活様式にも大きな影響を与えた。日本の庶民の衣
料は長らく苧麻(イラクサ科の多年草で山野に自生していた)などからつくった麻織物で自給的色彩の強いものであった。

 これに対して木綿は15世紀はじめ李朝の朝鮮から渡来し,武士の鎧や陣幕,旗幟,馬具,帆布など主に軍事用に使われていたが,次第に日本でも栽培されるようになり,江戸時代に入ってからは飛躍的に発展した。苧麻の栽培が粗放であったのと異なり,棉は集約的に栽培され大量供給が可能であったほか,織工程の分業化が進んだため生産効率は格段に高まった。

 これは新しい織物産業を誕生させ,商品経済を活性化するとともに,庶民の衣服保有量も豊富になり衣生活を一変させた。また染色加工も進み,その原料としての藍の栽培などが,特定の地域で盛んになった。

 いま一つの絹は古代から上流階級の衣料として用いられていたが(古代,中世を通じて綿は絹綿を指していた。木綿が普及してからは絹綿は真綿とも呼ばれるようになった。),江戸時代には養蚕が盛んとなり富裕な庶民層にも絹織物がひろまっていった。これは桑栽培もまた盛んになったことを示している。

 衣料革命とともに特筆すべきは燈料革命であろう。仏教の伝来とその興隆とともに次第に燈油の需要が増大し,油分の多いいろいろな植物の種子から油がしぼられるようになった。鎌倉時代には荏胡麻(シソ科の油糧作物)の油が登場し,室町時代にはこれに菜種油が加わったが,江戸時代には油糧作物として菜種の栽培が盛んになり,また棉栽培からもたらされる棉実油とともに燈油の供給を潤沢にした。

 これは庶民の生活を充実させるのに大きな貢献をした。何故なら,それまで庶民は夕食後は就眠するという夜のない生活を送っていたが,燈火を生活に取り入れることにより,内職はもとより読書や寄り合いなどにより知識を広めることができるようになったからである。

 棉,桑,菜種などの経済作物の栽培が盛んになるにつれ,これらに対する良質の肥料が求められるようになったが,これに応じたのは搾油残渣である菜種油粕,棉実油粕であり,蚕糞,蚕沙であった。また日本は暖寒二流に洗われる島嶼国家で,平地には乏しいが海岸線は極めて長いため近海漁業に適しており,魚獲に恵まれていた。

 しかし現代のような保蔵設備のなかった時代には,とれすぎた魚の仕末に困ったであろうことは想像に難くない。偶然腐った魚(鰯など)を田に捨てたところ米がよくとれた(鰯のことを田作りというのはここから出たといわれる)。このような経験から商品価値のなくなった魚や,魚油をしぼったあとの粕を肥料として使用するようになった。

 さらに肥料用に乾燥された干鰯が,油粕とともに購入肥料として流通するようになった。第2表に江戸中期,経済の中心であった大坂への入荷商品のベストファイブを示したが,干鰯は米,木綿類,菜種,材木についで第5位を占めている。

 江戸時代に登場した主な商品肥料である下肥,油粕,干鰯の中,下肥は運搬に労力がかかるので流通は都市近郊の農村地域に限られたが,それにくらべると輸送に便利な油粕類とくに干鰯は広い流通市場をもつようになった。そしてソース(供給者)とシンク(需要者)を結ぶ流通の担い手として回船業が発展した。

 たとえば大坂から江戸へ木綿関係の商品を運んだ回船の帰り荷は,九十九里の干鰯というふうであった。作物の肥料になるものは自然界からも人間の営みの中からももたらされるが,それらが商品になるためには条件が必要である。それは社会経済の発展によって生れた新しいシンクとソースの出会いである。

 新たなシンクとなった経済作物はこのほかにも嗜好品としてのタバコ,チャ,染料としての藍,畳表としてのイグサ,蠟燭の原料の櫨,和紙原料の楮,三椏などがあった。一方これらに対するソースとなったのは,消費人口の集中する大都市から出る人糞尿や農産物加工残渣の植物油粕,焼酎粕,醤油粕,豆腐粕や漁業からもたらされる魚粕や干鰯であった。

 土地がせまく園地的農業が営まれてきた日本では,生産手段の中で肥料はもっとも商品化されやすいものであった。何故なら反収を高めるために必要な肥料の経済効率は経営面積の制約をうけず,必要に応じて分割して購入し施用することが可能であり,また1回の収穫ごとにその代金を回収できるからである。

 このように肥料は零細農民でも比較的利用しやすい資材であった。江戸時代に肥料が世界にさきがけて商品になったのは, 多様な農産物の生産と日本人の勤勉さ,器用さによるものであった。しかしそれをもたらした背景には,高温,多雨,南北に長く複雑な地勢,きびしい夏と冬とその間にあるおだやかな春と秋の季節変化という日本独特の気候風土があったことも忘れてはならないであろう。

一口メモ
永代堀の由来

 干鰯が大量に取り引きされたのは棉作の中心地の大坂であったが,最初は堺と尼崎で取り引きされ大坂まで到着しなかった。そこで水路運搬の便があれば取り引きができるというので,永代堀を掘ることを願い出た。そして寛永元年(1624年),その堀留の永代浜に干鰯揚場が開かれ,取り引きがはじまったといわれる。(古島敏雄 概説日本農業技術史 による)

農民の肥料購入費

 当時の農民はかなりの費用を肥料の購入にあてていた。たとえば夫婦2人と子供1人の農家が,ある年に5反歩の畑を耕やして大根2万5千本を収穫し,135貫文の売り上げになった。ところがこの生産に使った肥料代は,売り上げの4割に近い50貫文であったという。( 岡並木 舗装と下水道文化 による)

藍作り小史

 藍は麻の時代から日本の代表的な染料の一つであったが,木綿の時代になると藍の商品としての地位は飛躍的に上昇し,山城,尾張,美濃,阿波に藍の主産地が形成された。藍の栽培には収量を上げるために大量の肥料が必要であり,干鰯などが購入施用された。しかし19世紀末ドイツのBASFが藍の色素であるインジゴの合成に成功し,その工業生産をはじめるにおよび,天然藍は駆逐されてしまった。

 

 

園芸床土,園芸培土の調査および育苗試験成績

大分県経済連肥料農薬課
参与 津野 林土

Introduction.

 大分県経済連土壌診断センターは,昭和62年度農業生産体質強化推進事業で,県連としては始めて国の補助をうけて設置され, かなりの機器を装備することができた。

 そこでこの施設を活用して,土壌,作物の診断はもとより,肥料,土壌改良資材,育苗資材などの品質調査なども手掛けている。

 写真1は育苗がうまくいかなかった現地の床土資材を取り寄せ,育苗試験を行なったものである。

 標準に使った与作V1号に較べいずれも生育が劣り,育苗資材に原因のあることがはっきりした。なお資材の分析の結果,従来品に較べ肥料成分が低いことなどが判った。

 いま,育苗用の土や堆肥はますます自給しにくくなり,床土や培土の流通は著しい伸びをみせている。

 経済連土壌診断センターではつぎつぎに登場してくる床土や培土について,品質を知り,流通や使用上の資料とするため,品質調査や育苗試験を行なってきた。そして,対照区として,与作V1号を使わしてもらうことが多かったので,その一端を本誌の誌上をかりて発表し,参考に資することとした。

1.育苗用床土,育苗用肥料の検討

 自家製床土としては山土また水田土と堆肥を混合堆積し,2~3回切返し使用するのが普通である。しかし,良質な堆肥が得にくいため,手軽な資材が求められる場合がある。

 その手軽な資材として,ブラックワン,クン炭,ピートモスを選び,また育苗用肥料として均一に施肥できるように細粒状とし,流亡を抑えるため粒状化にベントナイトを使った肥料の検討を併せ行った。

 表1に示すように地力の低い黄褐色土では与作が最も勝り,ブラックワン>クン炭>ピートモスの順で,資材の養分含有量,保肥力が苗の生育に反映したようである。

 保肥力が大でやや肥沃であった黒色土では,与作が最も劣り,ブラックワン>クン炭>ピートモスの順序は変らなかった。

 細粒化成はブラックワン黒色土で単肥配合と同等,他はすべて単肥配合を上回った。

 なお,大きい透水性が保持されるよう調製される床土で,Nの3/5が緩効性のCDUの与作は,肥効が高くでると判断された。

2.園芸用育苗培土の検討

1)供試した培土の理化学性

 大分県経済連に持ち込まれた園芸培土について,袋などに表示されている公称の理化学性と,当土壌診断センターで調査した理化学性を表示すると,表2,3,4のとおりである。

 理学性は分析操作中に変動するので100cc円筒管への充てんは減量しない程度にやや強く行なった。また開封直後の分析に統一できず,分析項目によってはメーカー側が考えている数値より,ずれているものがあるかもしれないことを予めお断りしておきたい。

 表2,3,4よりいずれの培土も孔隙(液相+気相)が多く,pF1.5の気相が多く,通気性がよい。

 pF0,pF1.5の水分が多く保水力が大きいが,培土による差もかなりある。

 化学性は培土による違いが大きく,メーカー表示の肥料成分は添加量で,水溶性成分との開きも大きく,即速効性成分とは考えられない。

2)ポット育苗での検討

 試験成績を表5に示す。

 キュウリ:与作V1号に較べ,C培土は生育が劣り,D培土は100%で勝り,33%でやや劣った。

 メロン:与作V1号に較べ,プラグ苗専用の与作N150は生育が劣り,D培土は33%でやや劣り100%でさらに劣った。メロンは育苗期間が長くなったので与作V1号を除いて,Nの肥効が続かなかったためと思われる。

 植物体中養分濃度:与作V1号,N150ともCaOが低く,MgOが高い。C培土はP2O5が低い。D培土はCaO,K2Oが高く,育苗期間の短いキュウリでNがとくに高いが,MgOはキュウリ,メロンともに低い。

3)プラグ育苗での検討

 試験結果を表6,7,写真3に示す。

 苗の生育は,Ⅰ,Ⅱ試験では与作N150に較べ,化学肥料を施用したE培土が勝り,D培土はレタスで劣りハクサイで同等,A培土はレタス,ハクサイともに劣った。

 Ⅲ,Ⅳ試験では与作N150に較べ,B,D培土はキャペツで同等,レタスでやや劣った。A培土はキャベツ,レタスとも明らかに劣った。

 また全試験を通して与作N150区は根量が多い傾向がみられた。

 植物体養分濃度は,与作N150区はCaOが低くMgOが高い。A培土はN,Feが低く,P2O5もハクサイを除いて低いが,Mnが高い傾向がみられた。

 B培土は,N,P2O5が低い傾向がみられ,Fe,Mnが低い。P培土はN,CaOが高い。E培土はP2O5,CaO,MgOが低い傾向がみられた。

結び

 調査および育苗試験の対象とした床土,培土,床土資材は,育苗上とくに問題はなく,使用可能な苗が得られた。

 いずれの床土,培土も孔隙量が多く,通気性,保水性にすぐれていたが,種類,品名により差があり,灌水頻度などに差がでた。

 苗の生育は,床土,培土のN量およびその肥効の発現性に影響されるところが大きかった。

 苗の養分濃度は培土の種類によりかなりの差がみられた。培土の成分含量,添加された肥料成分の影響と考えられる。

 苗の形質が定植後の生育にどのように影響するかは調査することができなかったが,育苗が大型化しつつある今日,明確にしておく必要があると考える。

 なお,培土により苗の養分濃度に大きな差のあることがわかったが,この辺をつめていけば,プラグ育苗が茎葉類で問題がなく,果菜類では未解決であることなどの,解明の緒口になるのではなかろうかと考えている次第である。